旧約聖書の、アダムとイブのエデンの園追放のエピソードは、個体発生の無意識的記憶を系統発生に投影したものだ、という解釈さえあるくらいです。
そんな大変なストレスの中で、外界と結びついているのは、何といっても口です。
生後間もない赤ん坊は、自分の口を通して、母親と、さらに外的世界と自分がつながっていることを確認し、落ちつくことができるのです。
基本的なストレスが老人を襲っているとすると、痴呆性老人の"異食"はこう考えられる。
彼らは、ちょうど、楽園から追放された赤ん坊のように、大変なストレスを抱えており、そのストレスは、かつて口を通して世界と自分を確認してきたときと同じくらい、基本的なものである、と。
フロイトやエリクソンならこれを「退行」と呼ぶところでしょう。