自分の実感から出発してしゃべる、というのが方法論だから、実感もしていないのに言うのは抵抗があるが、胎児は体温も一定で、栄養も胎盤から自動的に送りこまれるのだから、そういう表現がわからないでもない。
ところが、その楽園から追放される。
分娩です。
じつは、子どもはその楽園から出たくないのだ。
だから、人間の出産はあんなに時間がかかるのだとか、狭い産道を通るときに、人間の最初のトラウマ(精神的外傷)が生じるのだとか、それこそ「見てきたようなウソ」のような解釈がさまざまにあるらしいが、なにしろ胎内から出たとたん、自分で体温を調節し、呼吸をし、栄養を外部から摂取せねばならないのだから、これが大変なストレスであると言われれば、これもまたよくわかる話です。